美容師が青色申告にすると何が変わる?65万円控除の条件と申請の期限

青色申告は、届出を出しておくだけで使えるようになります。出していないと、その年はどうやっても使えません。期限がいちばん大事な話です。

青色申告で変わること

  1. 青色申告特別控除:所得から最大65万円を引けます
  2. 赤字の繰り越し:赤字を最大3年間持ち越して、翌年以降の黒字と相殺できます
  3. 40万円未満のものを一度に経費にできる:通常は10万円以上だと数年に分けますが、青色なら40万円未満まで購入した年に全額を経費にできます(年間合計300万円まで。令和8年4月1日以後に取得した資産が対象で、それ以前の取得分は30万円未満です)
  4. 家族に払う給与を経費にできる:一定の届出をすれば、専従者給与として経費になります

美容師にとって特に効くのはどれか

3番目の「40万円未満を一度に経費にできる」は、美容師の方には効きやすい項目です。

たとえば12万円のシザーを買った場合、白色申告だと数年に分けて少しずつ経費にします(減価償却)。青色申告なら、買った年に12万円を全額経費にできます。高価な道具を買った年の税額がはっきり変わります。

2番目の赤字の繰り越しは、独立した最初の年に効きます。開業の年は設備や道具にお金がかかって赤字になることが珍しくありません。その赤字を翌年以降の黒字と相殺できれば、2年目・3年目の税金が軽くなります。

65万円の控除を受ける条件

青色申告特別控除の額は、条件によって65万円・55万円・10万円に分かれます。65万円を取るには、次のすべてを満たす必要があります。

  • 複式簿記で帳簿をつけている
  • 貸借対照表と損益計算書を申告書に添付している
  • 期限内に申告している
  • e-Tax で申告している(または電子帳簿保存をしている)

最後の電子申告の条件がなく、紙で提出した場合は55万円になります。10万円の差が出るので、提出方法は最初に決めておいたほうがよいです。

なお「複式簿記」は、手書きでやるものではありません。会計ソフトに入力すれば自動的に複式簿記の形になります。手で仕訳を書く必要はありません。

申請の期限(ここがいちばん大事です)

青色申告をするには「所得税の青色申告承認申請書」を税務署に出しておく必要があります。期限は次のとおりです。

ご自身の状況提出の期限
すでに事業をしていて、来年から青色にしたい青色にしたい年の3月15日まで
これから開業する(1月1日〜1月15日に開業)その年の3月15日まで
これから開業する(1月16日以降に開業)開業の日から2か月以内

過去にさかのぼることはできません。「去年の分を青色で申告したい」と思っても、申請書を出していなければ白色申告になります。毎年この時期に、間に合わなかったというご相談をいただきます。

独立を考えている段階でご相談いただければ、開業届と青色申告承認申請書をまとめて出せます。この2枚を出しておくだけで、初年度から選択肢が広がります。

白色申告のままでよい場合もあります

売上がまだ小さく、経費もほとんどない段階では、青色にしても控除しきれず差が出ないことがあります。また記帳の手間が増える面もあります。ただ、手間の部分は記帳を任せてしまえば解消できますので、「手間が増えるから白色のまま」という理由だけで決めてしまうのは損になりやすいです。

ご自身の売上と経費の状況で、どちらがいくら違うのかを無料相談で計算してお伝えできます。

※この記事は一般的な取り扱いをまとめたものです。制度は改正されることがあります。ご自身のケースについては個別にご相談ください。

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